舞台『サーフィンUSB』のプロモーションで、ヨーロッパ企画が来広
京都を拠点にマルチに活動する劇団「ヨーロッパ企画」のメンバー(上田誠、永野宗典、諏訪雅、石田剛太)が、いつものように愛車“ヨーロッパカー”に乗り込んで来広。舞台の見どころなどを聞かせてくれました。
(2010/06/11)
【上田】前回の『曲がれ!スプーン』は、再演に再演を重ねての得意ネタでしたが、今回はまったくの新作。「ヨーロッパ企画」は、この作品で新しい領域へ挑戦したいと思っています。サーフィンという題材を選んだのは、決まった形を持たず、常に移り変わっていくあやふやな存在の波と、その波に人生の重心をかけるサーファーに興味を持ったからです。 【石田】サーフィンを題材にした映画やテレビはたくさんあるけど、演劇はあんまり聞いたことがない。海の美しさとか、演劇では表現しにくいですし。そこをどう描くかを観てもらいたいですね。とりあえず、僕は形から入るので、茶髪のロンゲにして、古典的サーファーを演じたいけれど、脚本はまだ上がってないし、どうなることやら…。 【上田】脚本はまだだけど、サーフィンの世界の波って面白い。形がない波に、伝説があったり、名前があったり。お芝居も似たところがあって、空気感とか形がないものに対してアレコレ言ったり、形がないのに広がっていく世界がある。サーフィンを演劇で?と思うかもだけど、自分たちが面白いと思えるもの、納得がいくものを作るという軸はずらさずにやっていきたい。それが自分たちの足場になると思うから。
【諏訪】肉体的にも精神的にも、乗り切れるか不安だけど、この舞台は後の伝説となるビッグウェーブ。ケガなく乗り切りたいですね。永野さんは、腹筋が割れた伝説のサーファーとか、やりたいタイプでしょ。僕は、体型が体型だけにね。カラダはこんなでもスゲー技がある、そんなサーファーをやりたいかなぁ。って、トレーニングは、してませんけどね。 【永野】なんせ、稽古も明日からだし。これからエチュードを繰り返して、アイデアを出し合い、その中で上田くんが面白いと思ったものを取りまとめてカタチにするという舞台の作り方なので。ストーリーや配役が決まるのは先の先だし。 【上田】こんな感じで、テーマに対しての話し合いを重ね、面白いと思ったものを取捨選択して脚本を作るんです。面白いと思ったものは、今日のトークではなかったですけどね。
【永野】まじでー。面白くない? 明日が稽古初日なので、明日からが勝負ですよね。サーフィンの雑誌を見たりして、役づくりに励んでおきます。あと、カラダづくりも。さっきお好み焼を食べたけど、カロリー計算しなくちゃでしたね。 【上田】でも、サーフィンしないかもしれないよ。岸壁に張りついて、波を待っているサーファーたちを描こうと思っているから。人類はそもそも、陸をめざして進化してきた生き物なのに、サーファーは逆。海に向かって、あてどなく暮らす。建設的でない暮らしぶりを表現するには、不安定な岸壁がいいかと思って。「ヨーロッパ企画」の舞台は、空間に高低差をつけたりするのが特徴だけど、今回の舞台装置も、役者が密接にからむカタチに。詳しくは見てのお楽しみです。 【永野】タイトルのUSBは、情報のイメージでしょ。サーファーは、常に気象情報をチェックして、いろんな情報から海を読んで、ようやくいい波にありつけるという。あと、有名な楽曲『サーフィンUSA』のAをBにしたのは、僕らの謙遜ですよね。どんなストーリーになるのか、楽しみですね。
【諏訪】僕は、波に乗って、無人島に行きたいかな。実際、僕らの行き着くところって、どこだろうって思いますもん。具体的なビジョンがあるわけではないけれど、まだ見たこともないような面白いものが、僕らの手で作れたらいいなぁと思いますよね。僕らはまだまだこれからだということです。 【石田】いろんな方面からオファーがあったりしますが、きちんと波を乗りこなせているのかとか、すごく気になりますね。仕事に追われるのではなく、一つひとつをしっかり楽しんで。「ヨーロッパ企画」のメンバーは、お互いを面白がって、刺激し合って、感化し合えるような関係でいたいかな。 【永野】旗揚げから12年、自分たちの公演をやるだけだった「ヨーロッパ企画」が、外部からオファーを受けるまでになって、学ぶ場が増えたのは、ありがたいこと。メンバー一人ひとりが、外で学んだことを、本公演に持ち帰ったら、それはえらいことですよ。お芝居なんてたかだか2時間の虚構かもしれませんが、2010年夏の一番の想い出になるような、生涯の記憶に残る夏になるような作品にしたいですね。