2012.2.18(土)
キャンプ達川リポート ガッツの挑戦

プロ野球はキャンプ花盛りちゅうか、中盤を過ぎて、佳境に入ってきたね。
 
ここからは実戦形式の練習や試合が増えて、いよいよサバイバルなキャンプになってくるわけ。
 
さて、ワシは宮崎、沖縄とキャンプ地巡りを終えて、広島に帰ってきた。
 
色んな人にお会いしてきましたが、今日からはそんな話をしてみましょうか。
 
 
沢山の人に会い、色んな物を見てきたんで、まず、何から話そうかな?と思うんじゃが・・・、
 
まずは、ちょっとビックリした事からいこうかね。
 
 
キャンプ取材をしていく中で、今シーズン、「 復活 」しそうな選手が何人かいたんよ。
 
以前にも話した事があったよね。 「 復活 」と「 復帰 」の違い?
 
もう一回、言っとくと・・・、
 
「 復帰 」とは、「 ケガなどをした選手が、それを治して戻ってくる事 」
 
それじゃあ、「 復活 」とは、「 その選手が絶好調の時の成績を残せるくらいになる事 」
 
 
「 復活 」しそうな選手・・・、 いたねぇ。 二人も・・・。
 
その二人は、昨年、ともにケガに苦しんだ。 まさかの成績しか残せなかった上に、
 
一人は大記録までが途切れてしまった。
 
今年は、引退をかけたシーズンになると思う・・・。
 
 
ここまで言えば、みなさん、分かるでしょう。
 
そう、一人は、巨人・小笠原道大。 そして、今一人は阪神・金本知憲。
 
この二人に会って来たんじゃけど・・・、  この二人。 今年は復活するよぉ。
 
 
まず、小笠原。 宮崎の巨人キャンプに行ったワシはその一挙一動に驚かされた。
 
 
キャンプの練習は、まずアップから始まる。 体操、ストレッチ、ランニング。
 
最近はケガの防止の意味もあって、このアップにたっぷり時間をかける。
 
このアップをする小笠原の姿を見た時、ワシは「 うーん 」と唸る思いじゃった。
 
小笠原が地面を一歩一歩、踏みしめるように走っていた。
 
下半身を強化しようという思いがあるんだろうなぁ。
 
ホンマに丁寧に、丁寧に走っているのよ。
 
 
守備やバッティングの練習で、一球、一球を丁寧に大切にする選手はいるんじゃけど・・・、
 
ランニングの一歩一歩から、丁寧に大切にする選手は、なかなかおらんよ。
 
そんな小笠原の姿は復活を予感させるに充分じゃった。
 
 
この後、偶然、グラウンドで小笠原と出くわした。
 
ワシら野球人は出会うと握手する事が多い。
 
何でかは知らんが、握手するんよ。 まぁ、悪い習慣ではないんじゃがね・・・・。
 
この握手をしたとき、ワシはまたビックリよ。
 
小笠原の手がえらくゴツゴツしてるんよ。
 
理由は、マメじゃった・・・。 バッティングダコよね。
 
ワシが小笠原に会ったのは、2月9日。
 
この時点で、もうゴツゴツのバッティングダコが出来ていたんよ。
 
 
そして、ワシは小笠原に言った。
 
「 おしり大きくなったねぇ 」
 
そしたら、小笠原が何ともうれしそうに笑った。 ホンマうれしそうな笑顔を見せてくれた。
 
昨年、マツダスタジアムのカープ戦でバリントンから「 ふくらはぎ 」にデッドボールを受けて、
 
それが直りきらなかったという情報もあった。
 
野球に限らず、下半身が決まらないと、ほとんどのスポーツは厳しいもんよ。
 
小笠原も苦労したんじゃなぁ。と思った。
 
それが、このキャンプのアップから一歩、一歩を大事にする練習の姿勢に繋がっているんじゃろう。
 
小笠原ほどの技術がある選手が原点に戻って、下半身から作り込んできたら・・・・、
 
これは相当にやると思う。 今年の小笠原は怖いよぉ。
 
 
小笠原と話した後、ワシはバッテイング練習を見させてもらった。
 
さっきのマメの感触を思い出して、ふと自分の手の平を見たら、何か汚れていた。
 
「 なんじゃ 」と思ってよく見ると、小笠原の血豆が潰れて、血が出ていたんじゃなぁ。
 
それが握手したときにワシの手の平についたんよ。
 
 
よく見ると、小笠原はバッティンググローブも着けずに、薄い手袋だけで打っていた。
 
この日は、寒かったんよ。 寒風吹きすさぶ中で、薄い手袋だけ。
 
もし、バットの芯を外したら、涙が出るくらい手が痛い。
 
いや、そんなもんじゃない。 手がちぎれたかと思うくらいに痛いはず・・・。
 
芯を喰ってても、あの寒さの中では、相当に衝撃があるはずなんじゃが・・・・、
 
 
そんな小笠原の姿を見ていると、このキャンプ。今シーズンに賭ける、小笠原の思いが伝わってきた。
 
さすが、ガッツと呼ばれるだけの事はあるよね。
 
何度も言うけど、巨人ファンのみならず、今年の小笠原には注目して見てください。
 
あの日、宮崎はぶち寒かったけど、ガッツはメラメラに燃えとったよ。
 
 
さて、明日は、もう一人の大ベテラン金本。
 
それから、2000本安打を狙う、あの選手たちの話をしましょう。

   
プロフィール

1955年7月13日 生まれ。
広島市出身。
1973年 県立広島商業高校時代 甲子園 春準優勝。夏優勝。
東洋大学から広島カープに入団。
リーグ優勝5回。
日本シリーズ優勝3回。
ベストナイン3回。
ゴールデングラブ賞3回。
オールスターゲーム7回出場。
引退後、広島カープ監督、福岡ダイエーホークスコーチ、阪神タイガースコーチ。