2010.3.12(金)  S t o r y : 32

隼人が楽しそうに問いかける。

「え……」

口ごもりつつ、ユイの脳裏には准汰の顔が浮かんでいた。

でも、はっきり好きだと宣言できるほど、
自分の気持ちに自信がなかった。

「ん?」

言いよどむユイの顔を、隼人が覗き込む。

目と目が合うと頭の中を見透かされているような気がして、
ユイは思わず顔をそむけた。

 隼人は笑いをおさえて、ユイの頭をクシャクシャと撫でた。

「なによ~」

みだれた髪をなおしつつ抗議するユイに

「なんでもない」

といいながら、隼人は笑っている。

「そういう隼人くんは? 詩織先輩とは、うまくいってるの?」

ユイは話を逸らそうと、おなじサークルの先輩で、
おなじバンドの仲間でもある海野詩織のことを持ちだした。

隼人は、

「まあね」

はにかみながら言ってる。

その表情がすごく柔らかくて、
ユイは胸が温かくなるのを感じた。

「加奈ちゃんと赤沢だっけ? 
あの二人みたいに学校で会うのはむりだけど、
遠距離なわけでもないし、それなりにうまくやってるよ」

「そっかぁ~」

「うん。会いたいと思ったら、いつでも会える距離だしな」

(会いたいと思ったら、いつでも会える距離かぁ……)

隼人の言葉が、やけに耳に残った。
それはいつか由香里に言われた言葉とつながって、

「会いたいって気持ちに、素直になればいい……かぁ」

無意識のうちに、ユイは声に出していた。

         つづく・・・・ (3月18日 更新予定)

                
原作  M・B
     S・K
     R・S

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

2010 冬編
2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12