2010.3.4(木)  S t o r y : 31

「何してるんだ、こんなところで」

「お姉ちゃんと待ち合わせしてるの。
でもなかなか来ないから、本屋さんで待ってようかなって。
隼人くんこそ、どうしたの?」

「俺は友だちと映画に行ってきたんだけど、
さっきそこで別れたんだ。そしたらユイを見つけて。
香織姉ちゃんなら、遠慮しなくていいよな?」

隼人の言葉を疑問に思いつつも、ユイは笑顔でうなずいた。
 
ユイと隼人が書店で本を選んでいると、携帯に着信が入った。

〈お姉ちゃん〉とディスプレイに表示されている。
               柱のかげで通話ボタンを押す。

「もしもし」

『もしもしユイ。ごめんねっ』 

 ユイは抗議したいところだけど、あせった口ぶりの姉に、
         「大丈夫よ」おだやかに返す。

「隼人くんと出会ったから、一緒に本屋にいるの。
               お姉ちゃん、いまどこ?」

『それがね、こんどのコンクールのことで
   急にミーティングすることになっちゃって、
     大学に引き返してるところなの。
  隼人が一緒なら、隼人とふたりでプレゼント探してきてよ。
                   値段も品物も任せるから』

「えーっ!」

『ごめんね。隼人によろしく! じゃっ』

 そう言うなり、姉は電話を切ってしまった。

あっけにとられているユイを、隼人がけげんそうに見ている。

「お姉ちゃん、来られないって。
 隼人くんと一緒にプレゼント探してきてって言われちゃった。
    どうしよう?」

「俺はかまわないよ。プレゼントは何にするか決めてるんか?」

「まだよ。いろいろ見てから決めようって話してたの」

「そっか。じゃぁ、見にいこうか」

「うん」

 書店を出た二人は、にぎやかな商店街に踏み出した。
 人ごみの中を歩いていると、見慣れた背中がふたつ並んで
                    いるのをみつけた。

「あ、加奈ちゃんと赤沢くんだ~」

「あぁ、あの、前にいる二人?」

「そう」

ふっくらと丸くて背の低い牧原加奈子と、
細身で背の高い赤沢徹。アンバランスな感じだけど、
二人は仲よく手を繋いで歩いている。

「あの二人、付き合ってるのか」

その様子をみて、隼人がいう。

「うん。すっごくラブラブなんだよ」

「へー。ユイは? ユイは好きな人、いるのか?」

「へっ!」

自分に話を振られるとは思っていなかったので、
すっとんきょうな声が飛び出した。

ユイは恥ずかしそうに口元を手でふさいでいる。

「びっくりしすぎだって。で、どうなんだ。
              好きな人、いるのか?」

                       

         つづく・・・・ (3月11日 更新予定)

                
原作  M・B
     S・K
     R・S

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

2011 夏編
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35周年 秋編
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35周年 恋夜空編
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開局35周年記念スペシャル
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2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12