2010.3.25(木)  S t o r y : 34

「どっちにメールしてるんだ?」

「ばか。ユイに決まってんじゃん」

〈何してるの〉

とタイトルに入れられたメールを見て、ユイが辺りを見回す。
そしたら、向かいの店の棚の奥から顔をのぞかせ、
加奈子が手を振っていた。

「加奈ちゃん!」

ユイは持っていた商品を棚に戻し、店から飛び出した。
そのあとを、隼人が悠然と歩いていく。

加奈子と徹も店から出て、
4人は連れ立って近くの喫茶店に入った。

「で、お母さんのプレゼントは決まったの?」

オレンジジュースを飲みながら加奈子がたずねる。
ユイは首を横に振ってる。

「何にしようか迷っちゃって~」

「なかなか決まらないんだよな。ユイは優柔不断だから」

茶化すみたいに隼人がいう。

「だって~。加奈ちゃんは、
お母さんの誕生日にどんなものをあげた?」
ユイに訊かれて、

「うーん」

加奈子は天井をふりあおいだ。

「いちばん多いのは、ハンカチかなぁ。
可愛いのがいっぱいあるし、実用的だし」

「ハンカチかぁ。もうすぐ春だし、
色とりどりのがいっぱい出てそうだね。
 どこのお店がいいかなぁ?」

「だったらいいお店、おしえてあげるよ。
どれもぜんぶ可愛いんだよ」
「え~。どこどこ?」

 ユイは加奈子に案内された店でハンカチを買った。

街には雨が降りだし、加奈子と徹は
相合い傘で人ごみに消えていった。

「やるね~、赤沢」

にんまり笑う隼人の視線の先で、背の高い徹が、
加奈子を濡らさないように傘を寄せていた。
「漫画みたいだね」

ユイがつぶやく。ちょっぴり加奈子がうらやましかった。

「お前もね」

「え、なに?」

 隼人が何を言おうとしたのか分からなくて、
ユイは首をかたむけた。

「なんでもない。傘、買いに行こう」

その夜。
ユイはベッドの上で枕を膝にかかえて、唸っていた。

〈会いたいって気持ちに、素直になればいい〉
由香里の言葉が、頭の中でぐるぐると回っていた。
准汰に誘われたとき、とっさにどうしていいのかわからなくて、逃げてしまった。

でも、やっぱり准汰に会いたい。

(どんなふうにメールすればいいのかなぁ)

かかえた枕に口元を埋めて、
ユイは携帯のディスプレイを見つめた。

         つづく・・・・ (4月1日 更新予定)

                
原作  M・B
     S・K
     R・S

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

2011 夏編
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35周年 秋編
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35周年 恋夜空編
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開局35周年記念スペシャル
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2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12