2010.5.6(木)  S t o r y : 40

母親に迎えにきてもらって家に帰ったユイも、
いまベッドの上であの瞬間のことを考えていた。

「夏川くんかぁ……」

あの球が当たっていたら頭が砕けて、わたしは死んでいたかも。
ユイの中では急速に思いがふくらんで、
顔も知らない夏川准汰はすでに命の恩人にまで昇格していた。

♪ピロリーン。ピロリーン♪

そのときユイの携帯が鳴った。
ディスプレイには[隼人くん]の文字が表示されている。

「もしもし、ユイです」

「あ、おれ隼人。元気かぁ?」

「うん元気だよ。心配させてごめんね」

「いや、オレのほうこそごめんな。気絶させて」

そのあと隼人は、洋介に謝ったり准汰に
         お礼を言っておいたことなど告げた。

ユイも校医の西若せんせいにお世話になったことや、
准汰のヘディングについて耳にしたことを話した。

「けっきょく逆転サヨナラのチャンスも凡退で、
           主役の座は夏川に奪われたよ」

ヒーローになりそびれたと言って、隼人は明るく笑った。
自分が打てなかったことなど問題じゃない。
      ユイにケガがなくて、ほんとうによかった。

その後、
いくにんかのクラスメイトからも電話があって、
                ユイを気づかってくれた。

とくに仲よしの牧原加奈子とは、いつもどおり会話がはずみだす。

「ケガしなくてよかったね。
   でも助けてくれたのが夏川くんだなんて、すごいよ」

「すごいって?」

夏川准汰のことを知らない、
          ユイは全然ピンと来ない感じだった。

「え! 夏川くんのこと知らないの?
     だって三年生の中でベスト5に入る男子だよ。」 

加奈子は、なおも熱っぽい口ぶりで、
 准汰の人気ぶりをまくし立てたが、ベスト5というのも
 加奈子の主観で、准汰が加奈子の好きなタイプの男子
                  という感じは否めなかった。

そして最後に

「体を張って助けてくれたんだから、お礼を言わなきゃ。
でもユイは夏川くん、知らないんでしょ。
わたし、付き合ってあげる」と一方的に段取りをつけてしまった。

              つづく・・・・ (5月13日 更新予定)

                
原作  M・B
     S・K
     R・S

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

2011 夏編
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35周年 秋編
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35周年 恋夜空編
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開局35周年記念スペシャル
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2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12