2010.7.8(木)  S t o r y : 49

日曜日の朝。ユイは身支度に手間取っていた。

「ど、どうしよう。やっぱり着ていく服くらい
昨日のうちに決めておくんだった」

 ハンガーにかけたままの3着を、鏡の前で自分にあてがって見くらべる。
(どういうの着ていけば、いいのかな)

「男はけっきょく、女の子の服装なんて見てないのよね」
  という千秋の言葉にも納得がいくし、
「でも今ごろは男の子もおしゃれだから、
女の子の格好だってちゃんと見てるよ」
  という茜の言葉もうなずける。

 鏡の前でにらめっこしている自分の顔を見て、
ユイは思わず笑ってしまう。

せっかく会えるというのに、なんてむつかしい顔をしているんだろう。
いつも通りの自分でいよう、と思いなおしたユイは、
最近いちばんお気に入りのピンクのワンピースを選んだ。

  家を出るときに姉とすれちがい、

「おっ、がんばって」 と言われた。

もしかして浮かれてる気持ちが顔に出てたかなと思うと、恥ずかしい。

 待ち合わせ場所のショッピングビル前に向かった。
自然と小走りになっているのは、はやる気持ちのせい? 

 待ち合わせ場所についたけれど、まだ准汰は来ていないようだ。
携帯電話を開く。時計を見ると5分前。

少し熱くて、ぱたぱたと手で顔をあおぎながら、
(夏川くん、はやくこないかな)
と思いつつ顔をあげたそのとき、前方からこちらへ向かってくる姿があった。
准汰だ。
 ユイはどきどきして、頬が熱くなるのを感じた。

「おまたせ! もしかしておれ遅刻?」
「まだ5分前。遅刻じゃないよ」
  と笑いあう。二人で歩き出し、
「今日は、何する?」
「何しよっか」

 そんな会話から始めてみたけど、あとの言葉が続かない。
口をつぐんだまま二十歩も歩いて、

「山岸は」
「夏川くんは」 何したい? と互いに問いかけた声が、かぶってしまった。
そこで二人とも笑ってしまった。

声を出して笑ったことで、緊張が小さなしみのように薄れていく。

つづく・・・・(7月15日 更新予定)

                
原作  清丘めぐみ
     小川 菜央
     田原麻衣子

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

開局35周年記念スペシャル
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2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12