2010.7.29(木)  S t o r y : 52

 一人どぎまぎしていた准汰は、

 「ねえねえ、夏川くん」
                いきなり話しかけられて、
 「わっ、うは!」

 あわてぎみに意味不明の声をたてている。

ユイは笑いながら、
         「これ、どうかな」
                    と手にした服を見せた。

 もちろんユイに似合うし可愛いに違いないと思った准汰だけど、
  それを口にするのはかなりむつかしい。
                徹が言うほど簡単じゃないって。

  「試着してみたら?」

ピンクのスカートを体にあてているユイに、
      准汰は、心とはうらはらに素っ気なく言い返している。

しばらくして、ユイが試着室のカーテンをあけた。

           「お、おぉ……」

准汰が、体のどこかにしびれが走ったみたいな声をもらした。

           「どうかなぁ、これ」

 ボリュームのあるピンク色のスカートだ。
            動くたびにふわふわとゆれる。

(だれが見ても可愛いって言うよ。
           なにより山岸に、すごく似合っているよ)

そうだ、そう言え。
    いま思った通りに。と心の声がけしかけた。

「可愛い」

「え?」

「可愛いよ!」

 たちまちユイが、顔いっぱいに笑みをひろげた。
もちろんユイは、そのスカートを買うことにした。

可愛いと口にした准汰の言葉が、
   ユイも准汰までも気持ちのどこかを落ちつかなくさせている。

このままでは続かないと思った准汰は、

     「どこかのカフェで、ひと休みしないか」
                      ともちかけた。

「うん、それがいいね」

ショッピングビルを出ていくらも歩かないうちに、
ユイが〈ドリームヒル〉と歩道の看板に書かれている
                   カフェで立ち止まり、

「あ、新商品が出てる! スパイスの効いたココアだって。
                     ねえ、ここにしよう」

ドリームヒルの奥のほう、二人がけの席におちつくと、
ユイはその新商品なるものを注文し、
      准汰はアイスコーヒーを注文した。

冷たい飲み物が、少し汗ばんだ体をクールダウンさせてくれた。

「どう?」

     准汰が新商品の味をたずねてきた。

「おいしいよ。ココアの甘さとスパイスの香りがベストマッチ!」

「ちょっと飲ませてもらっていい?」

「いいよ。どうぞ」

          と、ユイがココアを准汰の近くに置きなおす。

准汰が自分のストローでそれを飲んだ。

               
                      
                          
                          

                つづく・・・・(8月5日 更新予定)

   
   

                
原作  清丘めぐみ
     小川 菜央
     田原麻衣子

協力 比治山大学現代文化学部 

監修 吉本直志郎

 
(やまぎし ゆい) 16歳(高1)

広島市内の県立出澪(でみお)高校に通う女の子、クラブは軽音楽部。


(なつかわ じゅんた) 16歳(高1)

広島市内の中学校で山岸ユイと同じクラスだったが、サッカーに専念するためユイとは違う学校に進学。

開局35周年記念スペシャル
開局35周年記念スペシャル
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2010 冬編
2010 冬編
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石井杏奈着うたPR
秋編(石井杏奈着うたPR)
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NATSUGOYA編
NATSUGOYA編
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♪「がんばるけん~」
 作詞:石井杏奈 & tetsuhiko
 作曲:tetsuhiko
 石井杏奈(いしいあんな)
 スターダスト音楽出版所属
 アクターズスクール広島9期生
 Birthday : 1994.02.12